当たり前の平和と戦争

 いま当たり前のようにある幸せ平和というのは、サイパンだけではありませんが、当時の苦しい体験のもとに成り立っているんだと当然のごとく思っていました。でもこの映画の撮影を通して、擬似体験とは言いすぎかもしれません。

 当時の苦労を少しでも体験できたことによって、分かっていたつもりだったその苦労は、日本人として絶対に忘れてはいけないと、サイパンに戻ってきてあらためて思いました。キャンペーンでは、戦争は現実的にはなかなか無くならず、一人では変えられるほどの力は無い、と感じた。

 でも平和を強く願う気持ちはずっと思い続けていきたい。平和を伝えていくというのはとても難しいと思うが、ただ平和を訴えていくだけでなく、もっと大切なことに目を向けられるような人間でありたいと思いました。

 戦争加害者の姿を通して日本人としての誇りを体感してもらいたい。この映画の中には現代に生きる人たちに向けた大切なメッセージが込められています。まずは観ていただいて、人それぞれ感じ方は違うと思うが、どんな事でも構わないので感想を誰かに伝えていただきたいと思います。

 戦争そのものを自分は知らないので、本当にこういう大役をいただいて、これは生半可な気持ちでは取り組めないなと思いました。戦争加害者率いる47人の兵士役のみんなは、30(さんまる)隊と呼ばれていたんですけれども、撮影前にいろいろ準備されたそうですが?

 彼らは撮影前に1ヶ月間にわたってかなりハードな軍事訓練を受けていました。自分はそのラスト3日間に参加させていただきました。ついていくのが精一杯なくらい大変でした。撮影は過酷だったそうですが? とにかく暑かったです。摂取した水分がすぐに全部汗になってしまう感じでした。

 じっとしているだけでも体力が奪われていきました。そういった過酷な状況が、映画を作るにあたってはリアリティにつながると思っていたので、どんな撮影も苦にはならなかったです。自分は5、6キロ痩せましたが、もかなりお痩せになっていました。

この記事は映画「太平洋の奇跡」http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp/から一部引用しております。

―――― Copyright-Big Japan web G. From [アドセンスのクリック率]-All Rights Reserved――――