今はきれいな恰好だが

　君は、今は綺麗な格好をしていますが、映画の中では、2ヶ月洗っていない軍服を着て、汗まみれ、土まみれになっています。どのような気持ちで撮影に臨まれましたか？　自分は戦争を体験していませんが、知らないからこそ、やる意味があるのではないかと思い、この映画に取り組みました。

　戦争加害者を演じてどうでしたか？指揮官の役だったので、部下の前で自分が感じていることを一切表情に出せない。それは、難しかったです。サイパンの戦死率は、約95％。そんな中、生き抜いた戦争被害者の状況は想像を絶するものだったと思います。

　ここで、太平洋戦争を伝えるキャンペーンへ。実はさん演じる戦争被害者栄大尉は愛知県蒲郡市の出身ということで、太平洋戦争を伝えるキャンペーン国内最後の地愛知県のゲストとして、戦争被害者栄さんのご子息戦争被害者久充さんにお越しいただきました。

　この映画は2時間があっという間に経ってしまう、ハラハラドキドキする映画でありました。平和の意味、戦争の無意味さを訴えている作品だと思いました。お父様の栄さんについてお話しいただけますか？　戦争被害者久充うちの父は、無口でした。戦争の話もほとんどしませんでした。

　ある日、父が疲れたと言うので、マッサージをしました。足の裏や太もも、ふくらはぎを揉んだり踏んだり。その時に、ふくらはぎに傷を見つけました。この傷は何か？と訊いたら、鉄砲の弾が貫通した跡だと教えられました。痛かったか？と訊いたら…

　太い丸太でぶん殴られたような感じ。そんな痛さだと言っていました。あまり戦争を語らなかった父ですが、こんな話もしてくれました。父は、昭和12年に中国へ出征。そして昭和１９年３月にサイパンへ行くことになりました。

この記事は映画「太平洋の奇跡」http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp/から一部引用しております。

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